日本庭園の花たち4
ところが日本では、ペンタキープがでてくるよりもはるかに古く「万葉集」の中にヤブコウジをうたった歌が五首あり、「山橘」と書いている。
樹木性といってもたいてい一〇センチほどのごく小型で赤い果実のできるヤブコウジが、このように中国でも日本でも注意をひいたのは不思議ともいえよう。
中国ではそれが薬用植物になり、日本では観賞の対象になったのである。
貝原益軒はその著『花譜』の最終の頁でヤブコウジをとりあげ、つぎのように書いている。
すこし長いが引用しておこう。
「夫松は高き事百尺。
此木はひくき事数寸にすぎず。
凡物各むまれつきたる分限あり。
長きものはしりぞくべからず。
みじかきものはすすむべからず。
人も又かくのごとし。
貧賎なるも、富貴なるも、皆生れ付たる分限にて、天の命ずる所なれば、其分内をやすんじ、たのしみて分外をねがふべからず。
もし富貴なるは、貧賎をあなどりてめぐまず。